だーさんのウイスキー広場

安いものからそこそこ高いもの、オールドボトルまで。ウイスキーラヴァーのテイスティング記録、ウイスキーブログです。

岩井トラディション ワインカスクフィニッシュ

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IWAI RADITION  Wine Cask Finish
個人的評価:A
総合評価(コスパ):★6
シェリー香より甘めの果実香。黒糖系の甘味。梅、キウイなどのフレッシュで酸味ある果実香。口当たりはやや水っぽい?ピートの苦味にグレーン由来の若冠のえぐみ。余韻は甘味が広がる。ロックの方が甘味が抑えられ、飲みやすい印象。
 
マルスウイスキーの通年商品、岩井トラディションをさらにワイン樽で後熟させたものになります。
ワイン樽フィニッシュは初めてですが、甘めの赤い果実香に加えてらしいタンニン的要素も拾えます。実際にはかなり甘さが加わる印象で、個人の嗜好で言えばこのワインカスクフィニッシュよりも通常品の方が好みです。
 
ただ、この価格帯(3000円以内)であれば変な若さも感じないですし十分選択肢に入ってくるボトルだと思います。
最近はニッカもこの価格帯でブラックニッカの限定品を多く出していますし、非常に嬉しいですね。高くてうまいは当たり前、安ウマボトルを探すのも楽しみなんです。

アラン12年 カスクストレングス

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The Arran Malt Aged 12 years CASK STRENGTH

グラス:テイスティンググラス

量:15ml

場所:BAR飲み

個人的評価:A+ 強いフルーティーさと麦芽風味。ウイスキーの基本形を存分に楽しめる。

総合評価(コスパ):★7(フルボトル6000円前後)

 

 マスカット、ライム、リンゴなどのフレッシュなフルーツ、ドライパイナップル。ハチミツ感のあるオーク香も強くウッディ、バニラの香りも後から続いてくる。ファーストフィルのバーボン樽らしいフレッシュフルーツと強いオーク香が特徴。
 口当たりはハイプルーフらしいハイトーンで強力なフレッシュフルーツの香り、塩飴のニュアンス。その後麦芽の甘味を感じつつオーク香も強く残る。オイリーかつヘビーな口当たり。迸るアタックの強さとカスクストレングスの強い香味はスイスイ飲めるというよりもどっしりと腰を据えて飲む方が合う。

 

アイランズの新鋭、アランです。アイル・オブ・アラン蒸留所のあるアラン島は1836年を最後に全ての蒸留所が閉鎖されていましたが、1995年に蒸留が開始されて160年ぶりの蒸留所復活になったという経緯があります。

ノンピート麦芽で仕込むため、アイランズ的な塩気のある原酒でありながらヨード香はほとんどありません。豊かな麦芽風味が特徴の僕好みの蒸留所の1つです。

 

ファーストフィルバーボン樽のフルーティーさをダイレクトに感じれるのは好印象です。スペイサイド系の香味を分厚くした印象です。12年ものにしては飲み進めるのが若干きつく感じる程度に若さを感じる部分もあります。それが気になるかどうかで評価が変わるでしょう。

6000円以内という価格ながら、ハイプルーフカスクストレングスリリースです。オフィシャルボトルはカスクストレングスそのものが珍しく、価格も高めなことが多いです。12年ものとしては高めの価格帯ですが、コスパも良いと思います。

アランの酒質は素直な麦芽風味、そこに樽由来の強いフルーツの香りとハイプルーフのアタックの強さ。パンチのある味わいですが、コスパ良好な1本です。

バランタイン17年 1990年前後流通ボトル

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個人的評価:A+

総合評価(コスパ):★6

スモーキーさとともにシェリー香、オレンジピール、レモン、ハチミツ様の甘いオーク香。ワクシーさを伴う華やかな甘い余韻が長く残る。
口当たりは滑らかで初めはピート、焦がしたキャラメルのほろ苦さ、厚みはないがクリーンな麦芽風味、終盤はグレーンのえぐみもあるが総じてドライな後味を残す。
 
バランタイン17年のオールドボトル。オールドボトルとして評価は決して高くありませんが、リユース市場によく出回り状態も良いので何本か購入して楽しんでいます。僕自身ブレンデッドにハマりだしたのはこのボトルがきっかけです。
シングルモルトにはない飲みやすさと複雑さに強い衝撃を受けました。バランタインも基本的には60年代、70年代流通の評価が高いですが、このボトルでも古き時代の名残を感じることができます。
 
キャップが赤みがかったボトルが1990年代以前と思われます。お値段も手ごろですしオールドバランタインに興味が出たら買ってみても一興と思います。

グレンモーレンジ ドーノッホ

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 GLENMORANGE DORNOCH

 個人的評価:A

総合評価(コスパ):★4

トップノートはモーレンジらしいスッキリと香り高いオレンジ、シトラス。リンゴ、アプリコットを思わせるフレーバーにハチミツ系の乾いたオーク香。口に含むと意外と主張してくるスモーキーなピートフレーバー。蝋やワックスを思わせるモーレンジ18年にも共通するフレーバーが官能的な余韻として残る。
口当たりも滑らか、中間もキレイで嫌味もないが、主張も少ない優等生な味わい。余韻は若干ピリピリとした若さも感じるが、総じてバランスのよさを感じる。
 
免税店向けに販売されている、ライトピーテッドモルト原酒で構成されたボトルです。バーボン樽だけでなくシェリー樽原酒も使われているため、モーレンジ18年に共通するワックスのような香りが特徴的に感じられます。
 
 グレンモーレンジの特徴といえば、背の高いポットスチルで蒸留することによって生まれる雑味の少ないクリアな味わいです。個人的にはオフィシャルのオリジナルは若干飲み応えに欠けますが、様々な樽をヴァッティングさせた18年は非常に好みに合う味わいです。
 忘れてはいけないもう1つの特徴は、初めてカスクフィニッシュという手法を使った蒸留所でもあります。現在もバーボン樽で10年寝かせた原酒をそれぞれポートワイン樽、ソーテルヌ樽、シェリー樽でフィニッシュしたシリーズを通年で販売しています。
 
 このボトルも熟成年数は10年程度でしょうか。若干若さを感じます。個人的には好みと言えるボトルではないですが、クリアな香味が好きな方やスプリングバンクが好みの方なら気に入ると思います。

キルケラン12年

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KILKKERAN  AGED12 YEARS

グラス:テイスティンググラス

量:30ml

場所:BAR飲み

個人的評価:A ドライな香味が好きなら高評価か。バンク好きなら是非。

総合評価(コスパ):★6

ミネラル豊かなピートにバナナ、バニラ、バンクっぽいシェリー香。干し草のニュアンスに厚みのある木の香り。フィニッシュは穏やか。
口に含むと強い潮気とミネラル感、ピートが出てくる。中盤はボディの厚みがあり、静かでほろ苦さの余韻。時間経過でバニラ、キャラメルが開く。
 
 ミッチェルズ・グレンガイル蒸留所からリリースされたエイジ表記のオフィシャルボトル、キルケラン12年です。
 スプリングバンク資本で2004年に設立されたこの蒸留所、麦芽スプリングバンク蒸留所でフロアモルティングされた麦芽を使い、仕込み水も同じ水源ということで姉妹蒸留所的位置づけです。
  キャンベルタウンらしい塩気や豊かな麦芽風味もスプリングバンクに近いですね。完成度はとても高く、この価格帯では購入筆頭候補になりえる銘柄です。国内での販売前から注目され、ネットショップではあっという間に売り切れてしまい、現在も再入荷しているところはないようです。
 キルケランも新興ですし、日本もこれから新規蒸留所がどんどん稼働してきますからウイスキーラヴァーにとってはこれからがますます楽しみになってきます。みなさんも美味しく飲めるように健康には気をつけてください。

レダイグ10年

 

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LEDAIG Aged 10 years

グラス:グレンケアン

量:30ml

場所:自宅飲み

個人的評価:A 短熟の方が良さそう

総合評価(コスパ):★5

 

鼻を近づけると、強いスモーキーフレーバーにわずかなオキシドール。絵の具のような溶剤香に奥まったライムの柑橘香。中盤はフルーティさ、木材系のフレーバーからほんのりとしたヨードと強いヨードが余韻に残る。
口当たりはマイルドだが、苦味を伴うピートが先行する。中盤は魚介系の出汁感とクローブなど酸味系のスパイス。麦芽の香り、味わいはあっさりとキレイめ。終盤は塩とハチミツ。余韻は引き際が良い。
加水するとオーキーフレーバーとスパイシーさがより際立つ。
 
前回紹介したレダイグのオフィシャル10年です。こちらのボトルの方が好みかなーというのが第一印象でした。短熟で樽感が少なめなプレーンな方がレダイグは良さが出ると思います。敢えて言えばボトラーズ向きといえるかもしれません。ボトラーズの短熟も5000円前後で買えますし、オフィシャル10年も5000円以内。アイラモルトと同価格帯ですのでアイラは一通り飲んで違うモノを、という選択であれば考えてみてほしいボトルですね。
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アイラと言えばハイボール。例に漏れず、このレダイグハイボールが合います。ヨードとともに出汁感が広がり、ほろ苦い余韻になる冬向けのハイボールです。ハイボールウイスキーによって個性が全く異なるので、家飲みボトルはハイボールにするのも面白いですね。
 

タリスカー 57°ノース

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TALISKER   57 North  700ml 57%

グラス:グレンケアン

量:30ml

場所:家飲み

個人的評価:A+

総合評価(コスパ):★6

トップノートは柔らかいピート香とバニラ香。コショウ、ココア、ローストしたナッツ類、完熟バナナ。磯っぽさや消毒液のようなヨード香は後半に出現。余韻はピートフレーバーと木材系のフレーバーが長く残る。香りはやや単調ながら密度は濃い。
ハイプルーフを感じさせない口当たり。焦がした麦芽の甘みの後にメロン、桃など甘い果実、ほろ苦いピートフレーバー。中盤以降は樽材の渋味が支配的に出現する。時間経過とともにバーボン樽由来のフルーティさ、ハチミツ感が加わってくる。
香り立ちは控えめながら口に含むと雑味もありつつ、複雑な厚みのある味わいを感じる。
 
タリスカー蒸留所が北緯57°に位置することにちなんで、57%のカスクストレングスでリリースされているオフィシャルボトルです。
これだけ樽感が強いのに多層的なアロマは控えめ、ノンエイジ品ですが10年前後の熟成年数でしょうか。あまり長熟は使われていなさそうです。
しかし完成度が低いわけではなく、ハイプルーフを感じさせない口当たりでそれなりの熟成感を感じますし、中盤はやや平坦な印象ですが香りの厚みや複雑さは好ましい要素として感じます。
 
ストレートでは平坦気味ですが、1:2の水割りにするとフルーティさが開いてきます。カスクストレングスは何故か水割りが合う、これは鉄板です。こいつも柔らかいヨードにフルーティさが開いてなかなかいい感じです。
ボディの厚みや原料由来の味わいを求めるのではなく、タリスカーの個性と樽の香味を味わうにはとても良いと思います。ネットで安いところでは7000円前後で販売されていますし、悪くはないですね。
重すぎず、かといって軽すぎもしないので家飲みに良さそうです。