だーさんのウイスキー広場

安いものからそこそこ高いもの、オールドボトルまで。ウイスキーラヴァーのテイスティング記録、ウイスキーブログです。

クライヌリッシュ14年

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Clynelish Aged 14 Years

個人的評価:A

総合評価(コスパ):★7

オイリーで粘性のある甘い香りに、すだちのような青っぽい和柑橘の香り。探すと少しクローブ。瑞々しいオークの香り。
抵抗感のないスムーズな口当たりにオレンジオイル、ジンジャー。心地良いオーク感に甘い余韻が長く続く。

 

以前にもレビューしましたが簡易版だったため、再度テイスティングしました。

以前から好印象を持っていたモルトですが、この価格帯にしてはどっしりとした骨太な香味があり、5000円以下のウイスキーとしては個人的には第一選択です。

 

元々はブローラ蒸留所として稼働していた土地に新規蒸留所として作られたのが現在のクライヌリッシュ蒸留所になります。

ブローラ蒸留所として使われていた建物は1983年、ウイスキー冬の時代に稼働を停止し現在は建物も取り壊されています。

同敷地内別棟にあたるクライヌリッシュとブローラですが、1983年以前蒸留はブローラとして、それ以降はクライヌリッシュとして販売されています。

MHD社が2020年にブローラ蒸留所という名前の蒸留所を新規に稼働させるとのニュースがありました。建物自体は変わりますが、製法やポットスチル形状などはなるべく以前のものを再現するとのことです。

 

長々と話しましたが、実は加水で伸びるので水割りやハイボールもけっこういけるんです。5000円以下という価格帯の中でピーティではないけどしっかりとした飲み口のモルト。ピートは得意ではないけどウイスキーらしいウイスキーが飲みたいという方にお勧めします。

 

クライゲラヒ 13年

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CRAIGELLACHIE AGED 13 YEARS

個人的評価:A

総合評価(コスパ):★6

焦げっぽいピート、キレイな柑橘。オーク香。甘いワクシーな香りも隠れている。
ピートの苦味が先行するが、中盤以降はハチミツ、程よいオークが乗る。麦っぽさもあるが雑味もありほどよくスパイス。
引っかかりがなく、スムーズに飲める。
プレーンでスムーズなスペイサイドらしさのある香味を少しのピートがしっかりと引き締めるバランスの良いモルト

 

そもそも読み方が「クライゲラヒ」だったり「クレイゲラキ」だったり一定しないのですが、とりあえず本ブログはクライゲラヒとしています。
 スペイサイドにあるクライゲラヒ蒸留所。オフィシャルボトルとして決して有名とはいきませんが、スペイサイドには珍しくスタンダードボトルもしっかりピートを焚いているモルトです。

クライゲラヒ蒸留所の近くには、日本人オーナーである皆川達也氏がいる非常に有名なホテル&バー「ハイランダーイン」があるため、日本のモルト界では知る人ぞ知る名所でしょうか。

 

程よい麦感と柔らかい口当たり、フルーツ感があり家飲みに最適なボトルの1つだと思っています。

メインバライル2000 キングスバリー

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KINGSBARY MAIN BARAIL 2000 AGED 15 YEARS

個人的評価:A+

総合評価(コスパ):★6

燻製ぽいピートの裏に強めのヨード。ドイツパン、鉛筆のような乾いた木香。
ひんやりとした口当たり、ハチミツ、マクワウリ、魚介だし。
雑味は少なく、旨みとヨードが残る余韻。
時間をかけると麦芽風味にまったりとした甘さが開いてくる。

 

キングスバリー社がリリースしたシングルカスクのブレンデッドモルトになります。

シングルカスクのブレンデッドモルトと聞くと???となると思いますが、原酒をニューポットの段階でブレンドし、それを1つの樽で熟成させたという実験的なモルトです。

比率は公表されており、アードベッグ60%、ラフロイグ35%、ボウモア5%となっています。近年のアードベッグはあまり甘さを感じませんが、このボトルはハチミツを思わせる甘さがハッキリと出ていてラフロイグボウモアブレンドしたことによるものかなと思います。

こういったブレンデッドモルトは「このニュアンスはアードベッグかな」「このへんはラフロイグっぽい」などと推測しながら飲む楽しさがありますね。

それとオフィシャルボトルのレギュラー品にアードベッグラフロイグともに15年以上のものはすでにありませんので、そういった意味でもお得感を感じます。

バランタイン17年 トリビュートリリース

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Ballantine's Aged 17 years TRIBUTE RELEASE

個人的評価:A

総合評価(コスパ):★4

さわやかなオーク香に内陸系のピート。ホットケーキ、バタークッキー。
アタックは強めだが甘味が立つ。真桑瓜、食パン、赤い果実は僅か。
余韻は甘いメープルの香りがほどよく続く

 

バランタイン17年のリリース80周年を記念して発売された、日本向けのボトルになります。

48%ノンチルフィルター、ファーストフィル樽の原酒を主体としたとのことで開封直後は刺激とオーク感が強く感じられました。時間経過とともに「バランタイン味だなぁ」と思わせる香味の広がりが出ます。

特に特徴的なのは香りの奥にバタークッキーのような甘い油脂分を感じる香りで他のバランタインにはあまり感じない特徴です。

値段が通常の17年の小売り価格の倍くらいになりますので、よほどバランタインが好きな人でなければ買わない可能性が高いと思います。僕はバランタイン好きなので買いました笑

アイルオブアラン 1996-2017 武川蒸留酒向け

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The Arran Malt LIMITED EDITION 1996-2017 21 years

SINGLE CASK SPECIALLY SELECTED FOR MSS

CASK SHERRY PUNCHEON

CASK No 942 

個人的評価:A+

総合評価(コスパ):★7

 

香りはシャインマスカット、濃縮還元のグレープジュース。ホワイトペッパー、塩っぽさ。ムスク系の香水、シナモン。全体の香味をマスクするような少しお香っぽいシェリー香。
口に含むと芯のある塩気、ホワイトペッパー。ゴムはまだ主張がある。淡いオレンジと麦っぽさ、フレンチトースト。シェリーはあまり目立たず中盤以降にはしっかりとした熟成感のあるアロマを感じる。
時間経過とともにゴムは消えて花椒、チョコレート、生クリームのニュアンスも顔を出す。

 

通販サイトの武川蒸留酒販売がプライベートボトルとして詰めたアランです。

今年になって販売されましたが、スペックから見ると非常に割安なため初回、2回目入荷の各100本は午前中で売り切れてしまうほどの人気でした。アウトターンが510本なのですぐになくなることはないと思いますが。

濃厚シェリーではなく、シェリーと酒質がうまくマッチングしたモルトでアランらしさのあるペッパーやどっしりした香味にシェリーのニュアンスがしっかり混ざってきます。度数も下げたのか落ちてるのかは分かりませんが、ボディが程よく残るくらいに調整されていると思います。

 

安定のアラン味ですので、好き嫌いはあると思いますが個人的には買って良かったなと思えるモルトでした。

ウシュクベ ブルーフラゴン アン・アルドリ

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Usquaebach An Ard Ri Cask Strength

個人的評価:A

総合評価(コスパ):★4

干しブドウ、醤油っぽい酵母臭、紹興酒、カカオ。わずかに硫黄、青いハーブ。
強いレーズンチョコ、メロン、マスカット、モルト感。マカダミアナッツ。余韻はキレが良く、程よく残る。

 

ウシュクベは200年以上の歴史があると謳っているブレンデッドウイスキーです。しばらくは新たなシリーズは出ていなかったのですが、22年ぶりに2016年にこのアン・アルドリ ブルーフラゴンが発売されました。

アン・アルドリとは「王の中の王」という意味で、価格的にもハイエンドなボトルとなっています。

スペックとしては10~20年熟成のモルトのみをブレンドしたブレンデッドモルトとなります。紹興酒やたばこを思わせるクセのあるシェリー感があり、ナッツやドライフルーツを強く感じさせる味わいです。

最近はフルーティさやフレッシュさを押し出すリリースが多い中、良い意味での古めかしさも感じることのできる、良くできたブレンデッドモルトです。

ビッグピート 2017 クリスマスエディション

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BIG PEAT 2017 Christmas Edition

個人的評価:A 

総合評価(コスパ):★6 短熟アイラひしめく価格帯なので控えめ

硝煙、レモンピール、燻製。プレーンなスピリッツ香。
レモン、ジンジャー、梅、海苔。奥にピーチ。ヒリヒリとしたスパイスもあるが熟成感も感じる構成。加水すると香りの広がりが良くなり、刺激が和らぐ。
カリラメインな気がしますが、後半にアードベッグらしい甘み、ボウモアのピーチフレーバー、ヨードを感じます。若い原酒主体ですが、長熟原酒がまとめている感じ。

 

ダグラスレイン社から出ているアイラモルトだけのブレンデッドモルト、ビッグピート。毎年クリスマス限定ボトルが出ますが2017年はカスクストレングスでのリリースです(通常ボトルは46%ノンチルフィルター)。

おそらくカリラ、ボウモア主体にアードベッグが隠し味。ポートエレンは入ってるのかどうかわからないレベル。僕が苦手なカリラのハムっぽさ、ボウモアの紙っぽさはあまり感じず、加水することで香りも開く。なかなか秀逸なボトルです。