だーさんのウイスキー広場

安いものからそこそこ高いもの、オールドボトルまで。ウイスキーラヴァーのテイスティング記録、ウイスキーブログです。

新宮城峡 ノンエイジ

 

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宮城峡

グラス:テイスティンググラス

量:20ml程度

場所:家飲み

評価:A 朴訥さと華やかさの同居。フレッシュな味わいが好印象

総合評価(コスパ):★4

*購入価格 180ml 約1000円

 

ジャパニーズウイスキーです。

ニッカの蒸留所の1つ、宮城峡のノンエイジ品。原酒不足により再編されたニッカのシングルモルトの1つです。

元々宮城峡シングルモルトはノンエイジ、10年、15年とラインナップされていましたが、2015年に原酒不足を回避するために再編され、現在の宮城峡ノンエイジに一本化されました。

 

トップノートはバナナ系の熟したエステル香、乾いた土っぽいピートのニュアンスと樽由来と思われるバニラ香も顔をのぞかせます。シェリーらしい華やかな香りよりも完熟した果実の甘ったるい匂いが支配的です。

味わいは一口目は若干ですが湿ったウッディ、その後は樽由来のオーク、レーズンなど完熟系のエステル香が続きます。最後には少しの硫黄っぽさ。味わいはフレッシュなアルコール感と甘さの同居しています。熟成年数の短いフレッシュな原酒と長期熟成原酒をヴァッティングさせていることが伺えます。

 

再編でノンエイジ一本化されたわけですが長期熟成原酒を温存するだけでなく、若さと熟成感を合わせて新しい個性として成立させているように感じます。

若い原酒と熟成原酒をヴァッティングさせる手法はベンチャーウヰスキーでもとられていますが、スコットランドと比べて温暖で、インドや台湾よりは冷涼な気候だからこそ活きる手法のように感じます。

気候が温かければ熟成が早く進みますが、長い熟成年数をかけることが難しくなります。俗に言う過熟です。逆に冷涼だと長い時間をかけて熟成が進みますが若い原酒が落ち着いてくるのにも時間がかかります。

日本はウイスキーを作っている地域の中でもメジャーな地域よりは温暖でインドや台湾など新興地域よりは冷涼な気候という特殊性が独特な個性を生んでいる1つの要素と言えるかもしれません。