だーさんのウイスキー広場

安いものからそこそこ高いもの、オールドボトルまで。ウイスキーラヴァーのテイスティング記録、ウイスキーブログです。

トマーティン12年

 

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TOMATIN Aged 12 years

グラス:テイスティンググラス

量:30ml

場所:家飲み

時期:開封直後、3日後

個人的評価:A シェリーの甘さとピートのバランスが良い。時間経過とともに甘さが際立つため、好みは分かれる。

総合評価(コスパ):★5(通常価格700ml 4000円弱)

 *近所のスーパーの特売で2000円で購入

 

 口開けと風味が落ち着いてからでは評価が異なりますが、香りが落ち着いてからの方がこのトマーティン12年の本来の味わいと思います。

 口開けのトップノートは白ブドウの香り。口に含むとピートと共に湿ったウッディ、パパイヤのような青さと甘味。全体的に香りが閉じていて要素が判別しにくい。正直な話、あまり良い印象がありませんでした。

 シェリー樽由来の悪い部分、湿った木のニュアンスが強く出ていて、エステルや麦芽由来の味わいはあまり感じられない。本来の値段で買ったら失敗したなと思うレベルだったと思います。でも香りが落ち着いてくる数日後にテイスティングしたところ、自分のイメージが良い方向に崩されました。

 

 トップノートは変わらず白ブドウの香り。口に含むと土っぽいピートに隠れたバーボン樽由来のバニラ、熟したリンゴ。ウッディネスとモルト感は主張しすぎることなく、滑らかに過ぎ去り、喉を通る頃にかすかなミントの香り。甘さはシェリー樽由来ではなく、麦芽由来のニュアンス。後味はドライに仕上がっています。

 

 ハイランドモルトでありながら、スペイサイドよりの爽やか・なめらか系のニュアンスを感じさせつつピートもあります。気品ある味わいではないけれど、無骨だけど優しさも含んでいる田舎感(褒め言葉)を感じさせるモルトです。

 

 トマーティンですが今年に入ってボトルをリニューアルして、僕が飲んでいるのは旧ボトルになります。2本あるので1つは残しておいて数年後に飲みたいと思います。ただおそろしいのは、トマーティンのキャップが金属+コルクなこと。コルク劣化によるオフフレーバーがつかないことだけは祈るしかありません。

 

 トマーティンは1980年代に経営悪化したところに、日本の宝酒造が出資して経営を立て直してきました。宝酒造と言えば個人的にはみりんや焼酎のイメージですが、さりげなくウイスキーも出してますよね。

 スコットランドウイスキー蒸留所は今やほとんどが外国資本によって守られています。それが社会一般から良いことなのかはわかりませんが、伝統ある蒸留所がどんどんなくなるのは淋しいですし、美味しいウイスキーを作るところが多い方が個人的にも嬉しいのでたとえ外資だとしても経営が安定してくれるのは良いことだと思っています。

 

 飲む機会があれば新12年も飲んでみたいと思います。