だーさんのウイスキー広場

安いものからそこそこ高いもの、オールドボトルまで。ウイスキーラヴァーのテイスティング記録、ウイスキーブログです。

バランタイン12年 1990年前後流通


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Ballantine's 12 years old

個人的評価:A+

総合評価(コスパ):★7

埃っぽさもあるが、ハイランド系の華やかな花の香り。レンゲのハチミツ、煙、ホットケーキ。口に含むとシェリーっぽい甘い果実香。中盤以降はバランタイン味といってもいい独特のフレーバー、長めの余韻が残る。
モルトの甘さの中にほろ苦さを伴う、チョコチップクッキー。中盤はグレーン由来の甘さ、えぐみが支配的。余韻は少なくあっさりとしている。

 

今回紹介するのは高コスパブレンデッドウイスキーバランタイン。1990年代流通のリッターボトルです。

バランタインのオールドボトルと言うと、1970年代のモノが非常に評価が高いのですが相応にオークション市場での価格も高く…。この時代は評価こそ高くありませんが、モルティなコクもあり現行品にもつながるハイランドモルトの良さを感じ取れる穴場ウイスキーです。

目立たないけどゲームを落ち着かせる守備的なボランチ。こういうウイスキーがあるととりあえず一杯目にも使えるし、良いウイスキーの前座にもなりますし、自分が落ち着くボトルは嬉しいですね。

ブラインドテイスティング:マッカラン18年 2016リリース


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MACALLAN 18 Years Old

個人的評価:S

総合評価(コスパ):★5

 

テイスティング記録

樽:ファーストフィルシェリー中心に少量バーボン樽バッティング?
地域:ハイランド
度数:43% 
熟成年数:18年程度
蒸留所:グレンドロナック21年 (マッカラン18年?)
 
香り:上品かつ、香り高いブドウ、いちご。中盤には強めのオーク香。余韻はダークフルーツが中心、非常に長く官能的。
味:オロロソ樽っぽい甘い口当たり。麹のニュアンスに力強い麦っぽさ。わずかにチーズ。青草が終盤にわずかに出現。嫌みな要素はほとんど感じない。

 

オフィシャル限定という縛りで出してもらいました。

予想の経緯ですが、色の時点でオフィシャルでシェリー中心に限定。思った以上にリッチなシェリー系の香味がキッチリ出てきます。多彩な香味というよりはがっつりシェリー系、ミドルエイジ以上の熟成感と予測。中盤にオーク香が出てきたので、ここでバーボン樽も入ってる?とミスリードしてしまいました。

シェリー中心のミドルエイジヴァッティング、しかもノンピート系と考えると候補は絞られます。マッカラン18年、グレンドロナック18年、グレンドロナック21年、グレンゴイン21年。オーク香を拾っていたのでグレンドロナック18年と考えましたが、その割には力強さがあり、マッカラン18年と悩んでドロナック21年を最終回答。

 

テイスティング記録を見ると、酵母臭に強い麦芽風味とマッカランの要素はしっかり拾っていましたのでまぁよしとします。

マッカラン18年は1996、1997、今回の2016リリースと近年は飲んでいますが、新しくリリースされる度にシェリー感が薄くなっているような…。

 

マッカランは年間生産量が600万リットル。樽が400リットル入ると考えても、年間1万5000樽に詰めている計算になります。それだけの樽を全て高品質で揃えるのは正直無理があるでしょう。

大量生産でこの味を保っていること自体が、もしかしたら奇跡的なことなのかもしれません。

 

ボウモア ゴールドリーフ

 

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BOWMORE GOLD REEF 

個人的評価:A

総合評価(コスパ):★5

ほんのりとしたヨードに土っぽさ。原酒由来と思われるフルーティさ、チェリー、プラム、ほんのりと青いバナナ
口当たりはオーキーさ、ハチミツ、レモン。後半は海苔の佃煮、チェリーパイ。時間経過とともに樽感が強く出てくる

 

ボウモアの免税店向けボトルの1つ、ゴールドリーフです。

シェリー樽原酒をバーボンカスクでフィニッシュをかけた珍しいボトルです。

ボウモアらしい香味と、バーボンのオーク感が前面に出てきます。

ボウモア好きなら1度試してほしいボトルです。

キルホーマン カスクストレングス


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KILCHOMAN ORIGINAL CASK STRENGTH  

個人的評価:A

総合評価(コスパ):★5

柔らかい土っぽいピート香。シトラス、ハチミツ。品の良いオーク香。
ビロードの口当たり、ドライ、塩気。潮レモン、ハチミツ、あんず飴
 
キルホーマンですが、個人的にはアードベッグのアタックの強さと、ラフロイグの後味を足したようなイメージを持っています。
今まで飲んだキルホーマンは、あまり好きではありませんでした。
今回はクォーターカスクとのことですが、あまり樽感とスモークべったりではなく、割とプレーンな酒質由来の味わいをしっかりと味わうことができます。
度数は高く若さもしっかり感じます。
 
本来こういったプレーン系のボトルはボトラーズでリリースされることが多い印象です。これも新興蒸留所ならではのオフィシャルボトルといえるでしょう。
10年先が楽しみな蒸留所の1つです。

ボウモア9年 シェリーカスク


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 BOWMORE AGED9 YEARS  SHERRY CASK MATURED

状態:開封直後

個人的評価:A

総合評価(コスパ):★6

香り:ヨード、焼けたゴム、梅干し、チェリー、シュガーシロップ。中盤以降はダークフルーツ感が強く感じる。
味:嫌みのない甘さ、苦味を伴うヨード。ビワ、オレンジ、スパニッシュ?アメリカンオーク?少し木の余韻

 

日本に正規輸入されていない?ボウモア9年です。

去年あたりから平行品で日本にも少し入ってきましたが、即完売となっていました。

今回は運よく購入することができましたので、レビューしたいと思います。

 

9年という熟成年数ながら、シェリー樽原酒中心のヴァッティングと推測されるダークフルーツを中心とした香味。熟成年数の割には加水でよくまとまっているように思います。

開封直後はゴムっぽいニュアンスが強く出ていて、あまり良い印象はありませんでした。時間経過と共にその要素は薄れます。ヨードは若干ありますが、シェリー樽の甘さが優勢です。

購入価格は12年と同じ4000円前後とコストパフォーマンスに優れています。

この価格帯でのシェリー樽中心のヴァッティングは貴重ですから、流通し始めると一気に人気が出そうです。


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ボウモア15年ダーケストと飲み比べもしました。

ダーケストはバーボンらしさもしっかりと主張して、複雑さをまとった味わい。

9年はバーボン由来の香味はあまり感じず、シェリー樽原酒の割合が多いことが感じ取れました。

なかなか面白いオフィシャルボトルでした。こういうボトルが増えてくるのは本当に嬉しいです。

アードベッグ ケルピー


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 ADBEG KELPIE

個人的評価:A

 総合評価(コスパ):★5

ハッキリとした硝煙、海苔っぽいヨード。クレゾール、ハッカ。柔らかい潮気とオークが長く続く。
口当たりは柔らかく、ドライ。鰹だし、甘味は奥まっている。余韻には少しピリピリとした刺激感。若干若さを感じる。
 
アードベッグが毎年6月に行っているアードベッグデー。合わせてリリースされる限定ボトルの2017年版です。
今年はよりアードベッグの個性を強調したヴァッティングとのこと。
実際、アードベッグらしい要素をしっかり感じました。もう少し熟成感があればA+~Sくらいになっていたと思います。
 
アードベッグは通常のオフィシャルボトルが非常にレベルが高くまとまっているんで、限定品はチャレンジングなモノが多いです。今回もけっこうチャレンジングでしたね。コリーヴレッカンとかが好みならドストライクですね。

イチローズモルト ミズナラウッドリザーブ

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 Ichiro's Malt Mizunara Wood Reserve

個人的評価:A

総合評価(コスパ):★5

あまやかな乳酸系の香り立ち、枯れ葉にバーボン樽由来のフルーティー、バナナ、嫌みではない。バニラの香りが引き際よく消えていく。
スキムミルクのようなコクのある甘さ。フルーティーさよりも甘さ、ウィート系のコクが主体。後味はバニラ感が強い。
 
もう説明する必要もないほど有名なイチローモルトのリーフシリーズ。ミズナラウッドリザーブです。
羽生蒸留所のモルト秩父蒸留所のモルトをヴァッティング後にミズナラ樽で後熟、再貯蔵後にボトリングされたものです。
 短熟原酒と長熟原酒をマリッジしているので、若さを感じることはあまりなくスムーズな飲み口でした。けっこう甘口なのでドライめが好きな方には厳しいかもしれません。
 
ベンチャーウヰスキーが2007年創業なので、来年には秩父10年がリリースされるのでしょうか。もしリリースされることになったとしたら、争奪戦ですね。飲んでみたい気もしますが…。