だーさんのウイスキー広場

安いものからそこそこ高いもの、オールドボトルまで。ウイスキーラヴァーのテイスティング記録、ウイスキーブログです。

2016年 個人的に良かったウイスキー

今回は2016年に飲んだ(記事にした)ウイスキーの中からカテゴリ別に良かったウイスキーを紹介していきます。

 

シングルモルト部門>

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ARDBEG URGEDALE

ヘビーピートに厚みのある甘味・旨味。文句なく美味しく飲めるボトルでした。オフィシャルで1万円以内で買えるボトルとして十分以上のスペックだと感じました。

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TOMATIN      The WHISKY HOOP  

SINGLE CASK 1995-2015 Aged 19 years  60% Proof

こちらも印象に残ったボトル。ハイプルーフのバーボン樽熟成、特別な何かはありませんが多層的なフレーバーは良いモノの基準になる香味でした。

 

<ブレンデッド部門(モルト含む)>

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BLACK NIKKA  BLENDER'S SPIRIT

これは言うまでもなく。話題性・味わいともに素晴らしかったボトルです。

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SUNTORY WHISKY HIBIKI 17 years Old

値段は高いですが、本当にサントリーのクオリティは安定しています。飲み進めるほどに余韻が重なるフレーバーはブレンダーの力を感じさせる素晴らしいモノでした。

 

これ以降は3つの方向性(シェリー、ピート、スタンダード)でコスパが良いと感じたボトルを紹介します。

<シェリー部門>

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エドラダワー10年

今年はシェリー系を良く飲みましたが、なかなか悩ましい選定でした。次点は「グレンゴイン カスクストレングス」ですが、シェリーフレーバーはグレンゴインが上でしたが、フルーティさ・ピートとの絡みを考えるとエドラダワー10年に軍配です。ドライで飲み飽きず、華やかなフレーバーが特徴的です。

 

<ピート部門>

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ボウモア12年

こちらは好みですが、バーボン樽由来のフルーティさとヨード香のマッチングが非常に良かったです。

 

<スタンダード部門>

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クライヌリッシュ14年

 スキャパ スキレンと悩みましたが、価格でこちらに軍配。味わい全体はスキャパ スキレンの方が若干上かなと思います。2つともリッチな麦芽風味を主体とした完成度の高い味わいです。フィディックやリベットの方向性が好きなら試していただきたいです。

 

最終的には約60種に近いウイスキーを飲んだことになります。これからも徐々に飲んでいきたいと思います。このブログを読んでくださっている方、今後ともよろしくお願いいたします。

ハンターレイン オールドモルトカスク ボウモア12年

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OLD MALT CASK  BOWMORE DISTITILLERY

DISTLLED 2001 DECEMBER

BOTTLED 2014 OCTOBER

AGED 12 YEARS

グラス:テイスティンググラス(国際規格)

量:30ml

場所:BAR飲み

個人的評価:A+

総合評価(コスパ):★5

リンゴ、紙っぽさ、ヨード、ホップ、ライム、麦芽由来のフルーティさ。お香。
ハイプルーフの単熟ながら優しい口当たり。豊かな麦芽風味、リフィル樽らしい樽感の薄い爽やかなフレーバー、若干の粉っぽさ。余韻はわずかにヨード、塩気を感じる。

 

実はこのブログで初のボトラーズです。

時折お邪魔させてもらっているバーで「うちはウイスキー飲みが少ないからあまり出さないんだけど」とサーブしてもらったボトルです。

ボトラーズのリフィル系で樽感が薄く、蒸留所の個性が出るタイプ。このテのタイプはボトラーズが中心で蒸留所ごとの個性を感じるには良いと思います。ボウモアは2000年以降の紙っぽいフレーバーは言われますが、個人的にはあまり気になりません。優しい口当たりにホップのような爽やかさが好ましく感じました。。

アイラモルトボトラーズでも人気で、特にボウモア、カリラ、ラフロイグはリリースが多く価格も高騰しています。なかなかいただく機会に恵まれず、ここまで来てしまいました。

2016年はシェリー系をかなり頂いたので、2017年はピーティなウイスキーをどんどん攻めたいと思います。

ボウモア18年

 

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BOWMORE 18 years

グラス:テイスティンググラス(SK2)

量:30ml

場所:BAR飲み

個人的評価:A+

 

甘いシェリー香に柔らかな潮、ヨード香。中間のフルーティさは熟したメロン、バナナのエステル香とシトラス、グレープフルーツの柑橘。オフィシャルらしい多層的な香りだが刺激感もある。
意外とスパイシーな口当たりに甘味少なめ、ドライ。それでも塩昆布、豊かなウッディネスといった厚みのある旨味。チェイサーの水を苦く感じるのはパフューミーさ?

 

日本に正規輸入されているオフィシャルボトルとしては最長の18年熟成のボウモア。18年という熟成感、オフィシャルらしい多層的な香りでそこそこ飲ませてしまう。飲みはじめはドライですが、時間経過でボウモアらしいさわやかな柑橘の香りが開いてきます。個人的にはパフュームはそれほど気にならなかったのですが、ロットの差かもしれません。

 

ウイスキー全体の値上げでミドルエイジが軒並み1万円を超える中、希望小売価格で1万円を切り、実売価格8000円強というのはコストパフォーマンスとしては十二分と言えます。

とは言っても、実売1万円を切っているオフィシャルミドルエイジというと、ボウモア以外にはグレンリベット、グレンフィディック、ベンリアック、アベラワー、ノッカンドゥなどのスペイサイド系が中心。グレンモーレンジもハイランドですがノンピート系、ドロナック・ファークラスはシェリー系です。

カリラやタリスカーの18年は1万円強ですし、価格的な対抗馬というとラガヴーリンでしょうか。バー飲みならラガヴーリンですが、家飲みならボウモア18年の方がまったり1本を楽しめる気がします。

ボウモア デビルズカスク バッチ3

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BOWMORE Devil's cask Batch3

 グラス:テイスティンググラス

量:30ml

場所:BAR飲み

個人的評価:S

総合評価(コスパ):★3 700ml約30000円

 

香り:濃厚なイチゴジャムからヨード、ピート。口に含むとボウモアらしい柔らかで強いヨード香、赤いベリー香、コーヒー、少しの生木ぽさ。余韻は驚くほどふくよかだが、控えめに引いていく。
味:口当たりはまったりとした甘味とわずかな塩気。ハイプルーフを感じさせない鰹節のような出汁感、旨味から少しピリピリとしたアルコール感。加水すると刺激は強く感じる。
ホワイトチョコを口に含むと油脂分のコクが加わり、素晴らしいマリアージュ
 
オフィシャルの限定品。15年ダーケストは3年間のシェリー樽後熟ですが、デビルズカスクシェリー樽オンリーでの熟成です。
シェリー樽由来の甘味に、ボウモアらしい出汁感と潮気を感じる構成。素直に美味しいです。微妙な雑味を感じる後半もオフィシャルボウモアらしく、嫌味でないところも良いポイントです。
 
オフィシャル限定品としてクオリティの高い味わいではあるんですが、いかんせん値段が…。バッチ1が約1万円ですし、バーボン樽での限定品テンペストも約1万円。シェリー樽が高騰しているとはいえ、高すぎる印象を受けます。ちなみに飲んだバーでは1600円でしたのでほとんど儲けがない計算に…。最近は高騰がひどいのでラムやカルヴァドスなどの代替品も試したいなぁと思う今日この頃です。

 

ジュラ16年

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ISLE OF JURA Aged 16 years DIURACHS OWN

 グラス:テイスティンググラス

量:30ml

場所:自宅

個人的評価:A ライトなのにヘビー?飲みやすさとパンチの同居。

総合評価(コスパ):★5 写真は200ml 2000円で購入したもの

 

香り:ピートフレーバーに香草、レーズン・熟したリンゴ系の酸味を含む果実香、わずかなヨードとはっかの爽やかさ。中盤以降は食パンの香りがあり、終盤には柔らかなピート香、バニラ香、カカオのニュアンスへとつながってくる。香りは多層性はあるが、香り立ちはやや弱い印象。
味:オイリーな口当たりにわずかな塩分と酸味主体の味わい。中間に酒質由来の軽い旨味が乗り、カカオの苦味とスパイシーが余韻として残る。

 

バーボン主体にしては複雑味とシェリーの雰囲気を感じていたら、どうやらバーボン樽14年、シェリー樽2年だそうです。バッティング後の後熟なのかは不明です。

酒質自体はかなり軽めですが、シェリー樽と一部のヘビーピート原酒の影響でそれなりに飲み応えも感じる不思議な味わいです。

アイランズは蒸留所ごとに個性は異なりますが、共通する要素は風土由来のミネラル感が特徴として感じます。これは海沿いの蒸留所でも感じられると思いますので、それだけで判別することは困難ですが、このミネラル感は個人的には好きな要素です。

スキャパ、ジュラ、アラン、タリスカー、けっこう好みな銘柄が多いです。自分が好む要素を探すのもウイスキーを楽しみの1つですね。

 

トミントール16年

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 TOMINTOL Aged 16 years

グラス:テイスティンググラス

量:50ml

場所:家飲み

個人的評価:A

総合評価(コスパ):★4

 

香り:蜜の入ったリンゴ、粉っぽい果実香料、メープルシロップ。中盤はわずかなスモークにオーキーフレーバーが中心となり、余韻はあっさりと引いていく。

味:口当たりは穏やかで若干の甘味、麦っぽさ。若干の酸味。ほんのりとスパイシーな余韻。

 

スペイサイドって難しいなと思わせてくれるウイスキーです。「スペイサイドの何かです」と出されてもブラインドではわからない…。もちろんボディの強弱や酸味・甘味の出方で微妙に違うことは違うのですが、ブラインドでわかるほどの差が感じにくい。なかなか考えさせてくれるボトルです。同じノンピート麦芽、同じ川の仕込み水ですから大きな違いを出すこと自体が難しいと思いますが。

 

 だからこそヘビーピート麦芽カスクフィニッシュ、長期熟成ボトルなどでコンセプトを打ち出した方が評価が高い傾向にあると思います。様々な理由でクオリティも高いんですが、ベンリアックやアベラワーはそうやって成功してます。有名銘柄としてのグレンリベット、グレンフィディックマッカランシングルモルトの定番として親しまれている。ただし、シングルモルトだけが販路ではなく、ブレンデッド用として親会社やボトラーズに卸すことで成立している蒸留所もあります。

うーん、スペイサイドは考えれば考えるほど難しく、深い銘柄と思う次第です。

山崎12年

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 THE YAMAZAKI Aged 12 years

グラス:テイスティンググラス

量:20mlくらい

場所:家飲み

個人的評価:A+

総合評価(コスパ):★4 フルボトル9000円は高いです。

 

香り:ハチミツ、オレンジ、ベリー系の果実香、パイナップル、ほんのりと香木。口に含むと強めのオーキーフレーバー、若干の生木っぽさから、ココア、キャラメル、バニラ香に続いていく。

味:思ったよりも強い口当たりにとがったオーク香。中盤はドライだが麦芽の旨味も感じる。終盤には若干の木の渋味を強く感じる。

口当たりのアタックの割には強めの樽感を感じる不思議な味わい。シェリー樽の生木っぽさを拾ってしまうのは樽に苦労している?

 

 ジャパニーズウイスキーと言えば「山崎」というくらい知名度の高いサントリーのフラッグシップ銘柄、シングルモルト山崎12年です。

かく言う自分も初めて飲んだエイジもののウイスキーはこの山崎12年です。初めて飲んだ時は「これが本物のウイスキーか…!」といたく感動したのを覚えています。

 

今飲んでも多層的な香りに嫌味のない口当たり、まろやかさは健在です。ただ、最近は舌が肥えたせいか昔ほどの感動はなくなりました(苦笑)。それでも十分美味しい。ダラダラと家飲みや友人としゃべりながら飲みたいウイスキーです。

バーボン樽(パンチョン樽)だけでなく、シェリー樽原酒も含まれていると思われます。ミズナラっぽいニュアンスはあるようなないような…。パイナップルやマスクするような香味は若干感じますが、使われているのはごく少量と思われます。香味的には2割未満のシェリー樽原酒といった印象です。あくまで僕の舌の感想なので適当ですが(笑)。