ジュラ16年
ISLE OF JURA Aged 16 years DIURACHS OWN
グラス:テイスティンググラス
量:30ml
場所:自宅
個人的評価:A ライトなのにヘビー?飲みやすさとパンチの同居。
総合評価(コスパ):★5 写真は200ml 2000円で購入したもの
バーボン主体にしては複雑味とシェリーの雰囲気を感じていたら、どうやらバーボン樽14年、シェリー樽2年だそうです。バッティング後の後熟なのかは不明です。
酒質自体はかなり軽めですが、シェリー樽と一部のヘビーピート原酒の影響でそれなりに飲み応えも感じる不思議な味わいです。
アイランズは蒸留所ごとに個性は異なりますが、共通する要素は風土由来のミネラル感が特徴として感じます。これは海沿いの蒸留所でも感じられると思いますので、それだけで判別することは困難ですが、このミネラル感は個人的には好きな要素です。
スキャパ、ジュラ、アラン、タリスカー、けっこう好みな銘柄が多いです。自分が好む要素を探すのもウイスキーを楽しみの1つですね。
トミントール16年
TOMINTOL Aged 16 years
グラス:テイスティンググラス
量:50ml
場所:家飲み
個人的評価:A
総合評価(コスパ):★4
香り:蜜の入ったリンゴ、粉っぽい果実香料、メープルシロップ。中盤はわずかなスモークにオーキーフレーバーが中心となり、余韻はあっさりと引いていく。
味:口当たりは穏やかで若干の甘味、麦っぽさ。若干の酸味。ほんのりとスパイシーな余韻。
スペイサイドって難しいなと思わせてくれるウイスキーです。「スペイサイドの何かです」と出されてもブラインドではわからない…。もちろんボディの強弱や酸味・甘味の出方で微妙に違うことは違うのですが、ブラインドでわかるほどの差が感じにくい。なかなか考えさせてくれるボトルです。同じノンピート麦芽、同じ川の仕込み水ですから大きな違いを出すこと自体が難しいと思いますが。
だからこそヘビーピート麦芽やカスクフィニッシュ、長期熟成ボトルなどでコンセプトを打ち出した方が評価が高い傾向にあると思います。様々な理由でクオリティも高いんですが、ベンリアックやアベラワーはそうやって成功してます。有名銘柄としてのグレンリベット、グレンフィディック、マッカランはシングルモルトの定番として親しまれている。ただし、シングルモルトだけが販路ではなく、ブレンデッド用として親会社やボトラーズに卸すことで成立している蒸留所もあります。
うーん、スペイサイドは考えれば考えるほど難しく、深い銘柄と思う次第です。
山崎12年
THE YAMAZAKI Aged 12 years
グラス:テイスティンググラス
量:20mlくらい
場所:家飲み
個人的評価:A+
総合評価(コスパ):★4 フルボトル9000円は高いです。
香り:ハチミツ、オレンジ、ベリー系の果実香、パイナップル、ほんのりと香木。口に含むと強めのオーキーフレーバー、若干の生木っぽさから、ココア、キャラメル、バニラ香に続いていく。
味:思ったよりも強い口当たりにとがったオーク香。中盤はドライだが麦芽の旨味も感じる。終盤には若干の木の渋味を強く感じる。
口当たりのアタックの割には強めの樽感を感じる不思議な味わい。シェリー樽の生木っぽさを拾ってしまうのは樽に苦労している?
ジャパニーズウイスキーと言えば「山崎」というくらい知名度の高いサントリーのフラッグシップ銘柄、シングルモルト山崎12年です。
かく言う自分も初めて飲んだエイジもののウイスキーはこの山崎12年です。初めて飲んだ時は「これが本物のウイスキーか…!」といたく感動したのを覚えています。
今飲んでも多層的な香りに嫌味のない口当たり、まろやかさは健在です。ただ、最近は舌が肥えたせいか昔ほどの感動はなくなりました(苦笑)。それでも十分美味しい。ダラダラと家飲みや友人としゃべりながら飲みたいウイスキーです。
バーボン樽(パンチョン樽)だけでなく、シェリー樽原酒も含まれていると思われます。ミズナラっぽいニュアンスはあるようなないような…。パイナップルやマスクするような香味は若干感じますが、使われているのはごく少量と思われます。香味的には2割未満のシェリー樽原酒といった印象です。あくまで僕の舌の感想なので適当ですが(笑)。
シェリー系ウイスキーを飲み比べてみた2016/12/7更新
(2016/12/7更新)
シェリー系ウイスキーは人気のある系統の1つです。
シェリー酒を貯蔵し、廃棄される予定だった樽にウイスキーを詰めたらシェリーの華やかな風味を持ったウイスキーが生まれ、2016年現在ではウイスキーの1つのジャンルとして隆盛を誇っています。
最近はシェリーの需要が減り、シェリー貯蔵用に使った樽ではなくシェリー酒業者に依頼して樽にシェリー酒を入れてもらったものを使用するのが一般的になりつつあるとのことです(シーズニング)。
そんなシェリー系ウイスキーですが銘柄もたくさんありますし、ウイスキーにこれから親しもうという方にも受け入れやすい香味ですので、自分が飲んだ中での感想を書いていこうと思います。
グレンゴイン カスクストレングス バッチ3 ★8(12/7更新分)
エドラダワーと同じレベルでオススメなボトル。カスクストレングスのハイトーンなシェリー感、チョコのような濃い香りが楽しめます。開封直後は硬さがありますが、1~2か月置いておくとフルーティさ、シェリー由来の華やかさが開いてきて良い感じです。若干樽由来の渋味が強いですが、柔らかな麦芽風味も楽しめるハイレベルな1本と感じます。58.2%とかなり強いのでストレートでも多めの加水でもどちらでも楽しめると思います。
グレンドロナック12年 実売価格4000円前後 ★6
グレンファークラス12年 実売価格5000円前後 ★5
フルシェリーではありませんが、プルーン系のシェリー感が楽しめます。ピートやバーボン樽由来の香味もバランス良く味わえ、完成度の高いボトルです。時間経過で麦芽風味とフルーティーさも開いてきます。
エドラダワー10年 実売価格5000円前後 ★7
嫌味な香味がほとんどなく、シェリー感やフルーティーさがしっかり広がり、後半のピートが全体を引き締める、非常に完成度の高い仕上がりになっています。味わいはけっこうドライで飲み飽きない味わいですが、個人的にはもう少し麦芽風味があってもいいのかもと思います。2013年以前の出荷ボトルにはパフュームがありますので購入の際は気を付けてください。2014年以降のボトルの評価です。
ネイキッドグラウス 実売価格:3000円程度 ★7
トップノートはこの価格帯では信じられないほどのシェリー香。ブレンデッドなので飲み口も軽く、飲み疲れない味わいが特徴です。もちろん高い価格帯と同等の味わいとは言えませんが、3000円程度でこの味わいなら十分納得できます。飲み疲れないブレンデッドウイスキー、3000円と比較的手ごろな価格ということも晩酌用として重宝しやすいです。
ベンリアック12年シェリーカスク 実売価格:5000円程度 ★6
嫌味のないシェリー感、酒質由来のフルーティさも下支えとして感じます。シェリー系は40%加水が中心のオフィシャルボトルではどうしても湿った生木のようなニュアンスが強くなってしまうのですが、これは46%と高めで生木のようなニュアンスは強くありません。5000円程度で買えるオフィシャルボトルとしては十分なコストパフォーマンスを持っていると思います。
マッカラン12年 実売価格:6000円弱 ★5
シェリー系ウイスキーといえばマッカラン。ウイスキーに詳しくない人でも聞いたことはある、飲んだこともある代表的なシェリー系ウイスキーです。飲み口としては引っかかりのないスムーズなシェリー感が特徴です。40%加水ながら生木や硫黄といった嫌味な香味もなく、シェリー感を支える麦芽感もあります。
この価格帯のシェリー系といえばグレンファークラス、グレンドロナック、エドラダワーあたりでしょうか。テイスティングの機会があれば随時更新していきます。
ロン・サカパ センテナリオ
Ron Zacapa Sentenario 23
グラス:テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:BAR飲み
個人的評価:A+
総合評価(コスパ):★7
G&G
G&G
グラス:テイスティンググラス
量:30ml
場所:自宅飲み
開封時期:開封直後
評価:A ニッカの実直なモノ作りを感じられるボトル
総合評価(コスパ):★7 終売品ではあるが2000円弱
香り:ノージングでは内陸系ピート、フレッシュなアルコール、アップルフィリング。口に含むとスモーキーフレーバーが続く中でカカオ、ウッディから甘い穀物の香りにつながっていく。余韻は長く続かず、素直に消える。
味:ビターだがアルコール感は少なく雑味もほとんどないプレーンな口当たり。中盤で果実味が膨らみ、マーガリンのようなオイリーなニュアンスも若干感じる。後半でようやく穀物由来の甘味が出現するが、ピートのほろ苦さは全体を通して感じ、ドライな余韻として閉じていく。
ニッカのブレンデッドウイスキー、G&G。ボトル形状からサントリーオールドに対抗心むき出しなボトルです。
やや辛口、スモーキーさにグレーンの複雑な香味をプラスしたウイスキー、派手さはないけれど素直に「落ち着くなぁ」と思わせる味わいです。落ち着くけれど引き出しも多く、普及価格帯としてはかなりの完成度です。ブラックニッカスペシャルも同じ方向性ですが、G&Gの方がスモーキー&ドライという余市モルトの特徴が出ていて、より熟成感も感じます。
値段は2000円弱、ジョニ黒と同じ価格帯です。ジョニ黒の方がやや熟成感と樽感は強く感じますが、コスパ・味わいともに競合できる出来です。ジョニ黒、バラン12年でも甘すぎるというドライ党なら確実に勧められます。
ストレートも良いんですが、少量加水で余市のコクを引き出しても良いし、ハイボールでもコシがしっかりしており楽しめます。これ、現行のシングルモルト余市より余市モルトの良さを感じやすいかもしれません。厚みはあるけど雑味の少ない質の高い酒質だなぁと思います。
惜しむらくはニッカショックで終売になってしまったこと。ブラックニッカスペシャルほど在庫が大量にあるわけでもないようで地域の酒屋などで時折見かける程度です。
酒屋さんなどで定価で売られていたら是非購入を検討してほしい銘柄ですね。
アラン18年
The Arran Malt Aged 18 years
グラス:テイスティンググラス
量:15ml
場所:BAR飲み
個人的評価:A 軽めでフルーティーな味わいは誰もが楽しめる
総合評価(コスパ):★4 (フルボトル11000円前後)
マスカット、ライムのフレッシュなフルーツの香りとバナナ、パイナップル、桃を思わせるニュアンス。オーク香はなめらかながら、長く若干渋味も感じる。口の中ではフレッシュさと熟したフルーツの多層的なニュアンスと柔らかいウッディネスが混然とする。口に含むと甘いフルーツの後に麦芽の甘味とわずかな塩気。
そこそこに飲んだ後のテイスティングのため、若干短めになります。この18年は12年カスクストレングスと垂直飲みしました。
12年カスクストレングスと比較すると、原酒ヴァッティングによって複雑味のあるフレーバー、特にフルーティーさのみならず、熟した果実やバニラなどの甘いフレーバーが広がり、ボディも軽めでバランスの取れた味わいです。カスクストレングスと比較するとブレンドの力を感じます。
価格は18年ものとしては平均的かやや高め。18年らしい樽感もあり、麦芽風味を好む人にはなかなか良い出来ではないかなと。BARで個性あるモルトの間に、箸休め的にしみじみ楽しむのが良いかもしれません。